診察時間が短いと感じた事はありませんか?
私がこれまで勤務してきた保険診療のクリニックでは、診察時間は大抵5-10分で、予約枠もそのぐらいの設定で組まれています。じっくり話を聞こうとすると、次々とカルテが積み上がり、以降の人を長時間待合室で待たせることになります。
すると、目の前の人の話をじっくり聞きたいという気持ちと、待合室の人を長時間待たせたくないという気持ちとがぶつかり、焦りを感じながら診察を続けることになります。話を途中で打ち切る形になってしまうことや、集中が途切れて薬の処方で抜けが出ることもありました。患者さんが遠慮して話せなくなる場合もあります。
人の心の奥深さを実感していくにつれて、そういう診療を続けることに何とも言えない疲労感を覚えるようになりました。さらに、自分がカウンセリング(教育分析)を受けてみて、それまでの自分の想像をはるかに超えて、あれも話したい、これも話したい、50分でも到底話し切らない、ということも実感しました。それらの経験から、当クリニックでは1回50分の面接時間を確保する形での開業としました。
この時間があるからこそ、クライエントが言葉になる前の感覚を味わうこと、治療者も焦らずそれが言葉になる事を待つことができると感じています。
2015年9月 記
2026年4月 更新
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当院は『話しやすい空間』を大切に考えております
自分の内面に触れようとする時、場の雰囲気や外に声が漏れる懸念は思いのほか集中を妨げるものです。当院では、内面についてより話しやすい空間は何か、という視点から、いかにも病院らしい雰囲気ではなく、自宅に近い空間を意識した内装や家具を選んでいます。
さらに、話している最中に診察室の外にいる人に聞こえているのではないか?と気にしないで済む環境となるよう、診察室のドア・窓・壁・天井に遮音を施してあり、カウンセラー以外に話す内容が伝わる事がないよう配慮された設計になっております。
また、治療開始となった時に、対面で話すか寝椅子で話すかを選んでもらう局面があります。横になって話す時は、立ったり座ったりして話す時と比べて、より構えていない姿勢と言えるのではないでしょうか。つまり、自分の内面に向き合うきっかけを作りやすい姿勢であるとも言い換えてもいいかもしれません。
どの診察室でも、対面席と寝椅子を備え付けており、ご希望の形でセッションを受けていただけます。
これらの特徴によって力みが少なくなるというだけではなく、自分の力みを感じやすい場所でもあるという意味があると思っております。
2026年4月 記
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人には相性があります
心のうちを「話しやすい」と感じるのは、どういう相手でしょうか。年齢や性別、外見、話し方などのはっきりしたものとは別に、明確には言葉に出来ない、相性が合う・合わないという感覚があると思います。
私がこの感覚を大事にしたいのは、そこにまだ意識していない自分自身の感性が働いていると感じるからです。特に、初対面の時の直観というものには、後から様々なものが混ざっていることが明らかになってくるにせよ、割と素直な感性が働いている部分があるのではないかと思うのです。
私自身がカウンセラーを選ぶ時も、著書や映像だけではなく、実際に会合で話す様子や直接会って話した時の自分の中の感覚を頼りにしました。
また、初回に一通り話をした後で、このカウンセラーに心のうちを話す事を続けてみようと感じるかどうかも、自分の内面の感覚に注目していくための、一つの入り口になるのではないかと思っています。その感覚を無視せず大切にしてください、とお伝えしています。
2026年4月 記
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なぜ目白駅で開院したのか?
開業の1年ほど前、津川先生からご相談をいただきました。
「福島県に移る事になったので、津川クリニック(現在は閉院)と同じ精神療法専門・自費診療のみという形を引き継いで新しいクリニックをオープンしてくれないか」という内容でした。
どこで開業するかを考えた時に、アクセスが良く、かつ、人目につかない場所であるという条件で、休みの日ごとに都内の山手線内外のさまざまな候補地に出かけて見て回っていました。
私自身がクライエントとして分析を受け、カウンセラーとしても所属していた津川クリニックは、目白の地(当院とは異なる都営地下鉄雑司が谷駅の近く)で20年以上営まれており、馴染みのある土地でした。
物件を探している中で、JR目白駅に非常に近い立地の今のビルの情報が入りました。
目白駅は都会にありながらターミナル駅ではなく、改札も一つだけで出入りの便がいい駅です。隣駅の高田馬場駅や池袋駅よりやや高台にあって、改札を出ると駅近辺には高層ビルがなく開けた雰囲気で、何とも言えない、風の通りのいい感じがあります。また、右手に目をやると、あるいは駅に向かう時にも、学習院大学の緑が見えます。
そして、目白通りを渡って線路沿いに進むと、小さい路地に入った所にビルがあります。大通りから少し外れてひっそりと佇む、都会の喧騒を離れて森に入っていくのに似た感覚です。待合の大きな窓からは空の様子や隣家の緑も見え、新緑や紅葉など季節感も目で味わえる景色が広がり、「この場所でなら」と感じて、この地での開業を決めました。
2026年4月 記



